「#リプライで来たキャラで死ネタ考える」というタグを作って遊んだときのログ保管です

    < 目次 >※キャラ名クリックでジャンプします
    1人目…おそ松(おそ松さん)
    2人目…メル(回転むてん丸)
    3人目…福富寿一(弱ペダ)
    4人目…木吉(黒バス)
    5人目…守沢千秋(アンスタ)
    6人目…白目くん(落乱)
    7人目…橋本にゃ~(おそ松さん)
    8人目…eightfoot Joe(手下)
    9人目…手嶋純太(弱ペダ)
    10人目…石切丸(とうらぶ)
    11人目…花村陽介(P4)
    12人目…原澤監督(黒バス)
    13人目…同田貫(とうらぶ)
    14人目…サイタマ(一撃)
    15人目…ジェノス(一撃)
    16人目…真波山岳(弱ペダ)

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    真波山岳 #リプライで来たキャラで死ネタ考える



    (坂山)
     「生きてる」って感じるためなら、俺はどんなことでも試したいし。そう言った真波くんの手の甲、正確に言えば指の付け根には赤茶色いタコがあった。
    「クラスの子にね、ここんとこ、包帯してる子がいて。まぁ、切ってるんだけど。それでね、そういうの他にどういうことするの?って訊いたら教えてくれた」

    上手に嘔吐する方法。真波くんが舌を出して指を2本奥に突っ込んだ。おえっ、って言ってえづいて苦しそうな表情だった。それから目線を上げて笑うんだ。

    「出さないけどね、ここでは」

     指を入れるとき、上の歯が指の付け根にあたって、それで今の真波くんみたいに日常的にわざと嘔吐を繰り返す人はそこがタコになるそうです。二年になって、事故を起こしたらしい真波くんは自転車に乗れなくなった代わりに少し悪い遊びを覚えた。真波くんの赤茶色いシミみたいな痕と唾液を拭う横顔、それが最後に記憶に残ってる真波くんの姿だった気がする。

     

     家に帰ると娘が絵を描いたまま突っ伏して眠ってた。あれから15,6年も経ったんだ。
    僕がどうして真波くんのことを考えていたのかと言うと、手紙が来たからだった。「また会いにくるよ」って。絵葉書の裏にそれだけ、殴り書いてポストに入ってた。ということは多分、会いに来てくれたんですよね。一度。いやっ、だって、宛名、ないし、それに「また」って。
     それで僕ソファに凭れて真波くんのこと思い出してたんだ。
    はじめてあったときのこと。道で行き倒れてる僕にボトルをくれて、それから合宿場で会ったこと。真波くんが山を登るときにはいつも背中に羽が生えてるみたいに見えたこと。ほんと、ほんとなんです。あの、顔も綺麗だしほんと天使みたいなんです。真波くんは。
     そういうことを考えてると娘の描いた絵が目に入ってきた。あれ、自転車の絵だなって。不思議だなって思いました。僕は、そりゃ僕も自転車をやっていましたけど、高いものだし借り物で、高校を卒業するときに返してしまっていたから…。駅までは徒歩で、うちに自転車はないんです。それで僕は言ったんだ。

    「×××、その絵を見せてごらん」

     娘が死んでいるのに気づいたのはそのときだった。
    あは、驚きますよね。台所で妻が倒れて冷たくなっているのにも僕はそのときやっと気づいたんだ。はい、ショックでした。とりあえず僕はなんだかもうぼーっとしてしまって、うつ伏せになっている娘の下から画用紙を抜き出した。なんでそうしたんだろう。でも僕はそうせずにいられなかった。もしかしたら、あれですね。娘が見てくれって言っ……あっ、すいません。すいません。少し取り乱しました。すいません。

     それで、娘の描いた絵を見てみると、子供の描いた絵だからめちゃくちゃなんですけど、変ですよね……じっと見てるとなにを描いたかなんとなくわかるもんなんです。自転車の絵と、その隣。僕にはわかりました。あれは、手の甲にシミのある天使だった。

     おまわりさん、すいません。これが僕が真波くんを殺した理由です。



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    ジェノス (一撃) #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     どうしてこんなに異様な強さを手に入れたのかサイタマ自身でもわかっていないのだ。自分では「腕立て100回、腹筋100回、それで俺は強さを手に入れた」なんてまことしやかに言ってそれを自分で信じている風にも装うけれど、本当は自分の力の出所も加減の方法も皆目見当がつかない。だからどうしようもないのだ。サイタマの力がどんどん大きくなって、拳ひとつで倒していた敵を指一本で倒すようになっても、加減ができなくてとうとう自宅アパートの階段を登る度に床板を踏み抜くようになっても、彼には自分でどうすることもできない。やがて外を歩くだけで海が傾き、竜巻が起こるようになった。生きているだけで人類の脅威になるぐらいサイタマは強くなりすぎた。
     それでついにはアパートのベッドに横たわったきり、彼は身動きをしなくなったのだ。

     幸い彼の家に出入りするジェノスはサイボーグだった。体の殆どが機械である彼は壊れてもパーツの置換が効くし、うっかり先生の寝返りを避けそこねてもまた修理をすればなんとかなった。

    「先生、俺は、戦い以外のことで、この体になってよかったとこんなに思ったことはありません」

     ジェノスはそう言ってうっかり瞬きもできないサイタマの世話をよく焼いた。それはさながら老人の介護のようだったがサイタマも世界を壊さないように必死だったし、ジェノスもそんなサイタマの為に必死だった。
     
    ある日のこと、ジェノスは修理から戻ってきた。今やジェノスの介護活動はそのまま地球を守る行為につながるので多くの義援金が集められ、修理をするのだってクセーノ博士の個人ラボから国家研究機関の有する巨大施設へと場所を変えていた。今や多くの人類平和を望む研究者がジェノスのメンテナンスに携わっていた。

    だからこれはたった個人の陰謀や悪意ではないのだ。
    サイボーグジェノスが師と慕うサイタマに食事のひとくちを運ぶ最中に超爆発を起こしたのは。周辺住民の避難が済んでいたのも周囲にシェルターが築かれて居たのも、全部、国家世界勢力一群となって取り組んだことなのだ。
    生きているだけで人類の脅威になるぐらい、サイタマは強くなりすぎた。そしてジェノスの望まぬ爆発を受けてなお、生き残るほどに。

     その日、サイタマが慟哭と共に床を叩いた拳は地球の6割をえぐり、草木は燃え、動物は死に、人類は急速に衰退した。


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    サイタマ(一撃) #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     その日、人類史上最大の危機が来て、強大な悪の前にビル群は割れ、大地は裂け、月は爆風で体積を半分に減らし、海はその7割を蒸発させたのだ。
    続々と集結するヒーローたちはすべて強大な悪を前に、指はじき一本で倒されてしまった。一体なぜ?どうしてこのような強大な力がこの世に存在し得たのか?世界中の科学者が、ヒーロー支援に携わる機関のすべての人間が、この強大な力を分析し、解読し、世界存続への活路を見出そうとした。
     悪は、それをあざ笑うかのように吼えるのだ。

    『俺の強さの理由を知りたいか!!俺は毎日欠かさず腕立て200回、腹筋200回、背筋200回、ランニングを20キロ続けた!そして全身の体毛が抜け落ちる頃、この最強の肉体を手に入れたのだ!!』

     ああ、まあそれは仕方がねぇわ。
    腕立て100回で鍛えたヒーローはその日そう言い残すと全人類と共にあっけなく死んだ。



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    同田貫 #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     出陣の前には必ず薬剤の投与を受けるのが、ここ最近の本丸での義務だった。薬剤の中身は興奮剤で、それは皆々の闘志を高め恐怖を和らげるそういうものだ。
    「俺は戦えりゃ、なんだっていいんだけどな」

     審神者から薬剤の投与を受けるとき、同田貫はきまってそう言ったが審神者は苦笑いしてそれをいなした。まぁ、そうは言ってもお前の為だよ。
     同田貫は、ひときわ好戦的で朴訥として、血を見ることを恐れない。数も多く打たれて取り立てて珍しい刀ではなかったが審神者は彼が大好きだった。だから出陣を命じるときは憂鬱なのだ。遡行軍の完全制圧を政府が成し遂げて2年。今や必要のない刀たちを政府は溶かしてしまえと命じたが、情深い性質の審神者はそれができなかった。これまで通り刀たちと田畑を耕し、日々の食を賄う暮らしを望んだが、同田貫というのは骨の髄まで実戦刀だった。戦に出さなければまともを保てない。運動不足の解消のつもりの申訳程度の手合わせで、太刀、打刀をそれぞれ2本破壊して自らも折れたとき、審神者はこの刀と平和的共存を望めないのを知ったのだ。

     数ばかり、多くいる実戦刀だ。
    そういうわけで同田貫は今も出陣を続けている。敵のいなくなった世界で、薬の幻覚に騙されて、同田貫同士、討ち死に合いをする。その戦いは同田貫の多いばかりの数がすっかり減ってしまうまでおそらく続くのだ。



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    原澤監督(黒バス) #リプライで来たキャラで死ネタ考える

    (※原澤×今吉)
    「それでさすがに昨晩は肝が冷える思いをしましたよ」部屋の電気を付けたら包丁を持った女がいて、という話を助手席で聞きながら声を立てて今吉は笑った。
    「結婚するて、言いだしたん急やったからなぁ。他にも恨みに思うてるヒトがおるんやないですか」
    「まさか、勘弁してくださいよ。私が悪戯で手をだしたのは君だけだし、彼女は勝手に勘違いして……どちらにせよあんなのは精神病患者ですよ」
    「わはは、酷い男やなぁ」

     原澤先生はいつか刺されて死ぬ気がすると今吉はからかう。ふん、と鼻先で笑う原澤の指に婚約指輪が光るようになったのは最近のことだ。見咎めた今吉に、教育業界と言うのも派閥やコネや色々あるんですよ、と原澤は言った。暗にこれは政略結婚だと言い訳しているようにも取れるが。ほん、偉くなるんや。そのときの今吉の感想はそんなところだった。
     寮に戻る通りの一本前、今吉は「この辺で」と言った。

    「ちゃんと送らせてくださいよ。生徒をこんなところで下して、却って不自然だ」
    「コンビニ寄りたいし…それより先生ぇ、家帰ったらポスト見てくれます?」
    「ん?」

     診断書のコピー、届いてる筈やから。助手席を降りて窓越しに今吉は原澤に告白をした。この数週間、原澤の婚約を知ってから原澤との逢瀬の合間に幾人の男とセックスをしたか。どんな相手と寝たか。

    「実はワシもまだ結果、見てないんです。まあでもキャリアやって言うてる人も何人か寝たから十中八九、陽性やと思いますけどね。流行ってるんや。ゲイの間で子供ができへん代わりに病気貰うて……言うたでしょ?恨みに思うてるヒト、おるんやないですかって……考えませんでした?」

     また肝冷えましたね。今吉は言って、白いものがちらちら降り始めた夜道をひとりで静かに歩いて行った。



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    花村陽介(P4) #リプライで来たキャラで死ネタ考える

    (※トリハダ3「雑音と無音の因果律」のパロです)

     花村陽介は明るい陽気な性格で、周囲のムードメーカーではあったが、彼がいつもそうある為にはある程度の集中すべき時間と気分転換が必要だった。
    愛用のヘッドフォンから流れる曲の音量を彼は常より大分上げている。地下鉄の移動の最中だからもしかしたら周りに迷惑になっているかもしれないと思えたが、彼は敢えて目を瞑っている。なにしろ嫌な事件があったし、大事思ってた人も死んでしまった。花村がまた明日から、調子の良いぐらい陽気に明るく振る舞うには気分転換が必要だった。音楽は彼のメンタルコントロールにとっていつも重要な役割を果たしていた。闘争意欲を高めなければならないとき、冷静にならなくてはならないとき、音は彼の感情の切り替えスイッチである。
     今は爆音で音を鳴らしている。電車のガタガタいう音も周囲の人の咳払いもなにも聞こえないぐらい高く、花村自身あまりに「うるさい」と思うほどであったけれども、そうしてガンガン鳴る音楽に頭を空にしてしまうことには成功した。それで明日も頑張れる。花村はすっかり前向きにヘッドフォンを外して顔を上げた。目の前に鉈を持った殺人鬼が立っていることに気が付いたのも、ほかの乗客がとうに逃げて自分だけなのを見たのもこのときだ。


    「まぁ俺はこういうところ、あるからなぁ」

    花村の首からヘッドフォンが落ちた。


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    石切丸 #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     石切丸という。元は神社に奉納された大太刀で、今は役目を終えた報酬に人の姿をしてこの平成という世に顕在している。とはいえ以前と暮らしがそう変わることもなく、
    私の元には依然、多くの人間がやってきて、水や食べ物を運び私の世話を焼く。それにしても人間として生きるとはもっと自由で気ままなものかと思ったよ。部屋の壁は白いばかりで退屈だし、窓もない。手足は置物の台の上にいつも紐で結わえられているし、人間の暮らしと置物の暮らしというのはそう変わらないのだね。
    ほぅら、また来た。儀式の時間かな。神事に尽くすものはここでは、白い服を着ている。


    「こいつ、なにを偉そうにブツブツ言ってんだ」
    「なにを今更。ここは精神病棟だぜ、当然頭がいかれてる」
    「それにしたって、精神病患者まで家族の希望で安楽死が許される世の中になるとはね」
     
     おや、それは針かい?注射は嫌だな……。罰があたらないといいね。



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    手嶋純太 #リプライで来たキャラで死ネタ考える

    (※今手)
     人としての常識を疑われない程度に限度を見極めて意地悪をしていたつもりだったから、これは俺としてはアウトだし、不本意なんだよ。軽蔑されたくねぇしさ。いや、本当。
    「正直言って手嶋さんて俺のこと嫌いですか?」

     今更そういう鈍いことを今泉が言ってきたのは、相変わらず自転車エリートのアイツがイタリアへ渡る報告をしてきた10日ほど前のことだ。それ訊いてお前向こうで頑張れんの?YESでもNOでもない俺の言い回しは、俺のただの意地悪だったけど訊ね返すと電話の向こうは静まりかえった。そんなんでホントにやっていけんの、ひとりで。

    「……覚悟はできてます」

     やがて今泉が長すぎる沈黙の後、やっとそんな風な決死の声を出すから、待ちくたびれてテレビの番組欄に気を移していた俺は前後の会話を忘れて「え?なにが?」なんて言っちまった。
    まぁ、それでも限度は見極めて意地悪をしてるんだよ。俺はむくれる今泉に出発の日を訊いて、それで「じゃあ、当日な」と約束をした。

    「え、なんすか。それ」
    「や、本題。お前のこと嫌いかって、当日教えてやるわ」

     来てくれるんすか。なんとなく嬉しさを噛み殺した声で今泉がそう言った。悪いなぁ、エリート。俺はよくよく運のない凡人だから、終わり方もしょうもない終わり方でさ、空港に向かう途中の駅の乗り換えで、でかい鞄をぶん回す女に押されて階段を落ちたんだわ。まさか死ぬとはな。首都部の駅の混雑ってこえーよなぁ。
     だからホント、ホント俺、空港には行ってやりたかったんだよ。期待させるだけさせておいて、見送りにこないなんてそれは限度を超えた意地悪だもんな。俺はそういう加減を間違えないようにはしてたんだ。だから、ちげーんだよ。俺の回答はさぁ、お前は勘違いして飛行機に乗るだろうけど、俺はホントは、お前がホントには可愛かったよ。 


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    8foot Joe #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     家族を持ちたいというのがJoeのたっての希望であった。Joeは偉大な魔女の持ち物であったので、彼は勝手な振る舞いをする前に、魔女に伺いを立てなければいけなかった。
    陸に上がって人の女と契りを結んだJoeには子供がいて、女と子供と家族になることがJoeの望みなのだ。魔女は豪活な性格で、これまで深い海の底でよく働いてくれたJoeの為に、女と子供に魔力を与えて海の底で暮らせるようにしてやるのを約束したのだ。

    「家族を持つならお前はもう、うちの子じゃないね。おいき、ただのJoe。お前の家族のところへ」

     魔女は自分の口にした約束を違えたことがないのでJoeは安心した。
    そうして魔女の家を離れたところで、深海の恐ろしい圧が、もはや魔女の加護を離れたただのJoeの肺をぺしゃんこに押しつぶしたのだった。墨のように黒い血を吐きながらJoeは理解していた。魔女は悪辣なのでも意地悪なのでもない。彼女は言葉の道理に誠実なのだ。だから魔女との交渉はよく考えて慎重に行わなくてはならない。

     Joeの家族は今は海にいる。Joeの体ももうすぐどこかの誰かのななし(Joe)の死体として家族のもとに流れ着く。



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    橋本にゃ~ちゃん #リプライで来たキャラで死ネタ考える

    (※チョ口松視点/注:スナッフ出演描写)
    にゃ~ちゃんがメディアに出なくなってどれくらいになるかな。メディアというか、アイドル業界から、僕らの前からいなくなってしまった
     チケット交付済みの握手会も突然キャンセルになってしまったし、深夜番組のちょっとしたアシスタントの役なんかも降板になってて、地下イベントからも所属事務所の公式ホームページからもにゃ~ちゃんの存在が消えてしまった。
     アイドルをやめたならいいんだ。僕はにゃ~ちゃんに生きる勇気と元気を与えてもらったし、にゃ~ちゃんが自分の幸せの為にどこかに引っ越して夢を目指しているならそれでいいんだ。僕が心配なのはにゃ~ちゃんによくない噂があることで、例えばホストクラブにハマって莫大な借金を抱えているとか。借金を返すために裏ではえげつない仕事に手を出しているとか。とうとう借金の額が手に負えなくなってにゃ~ちゃんはやくざに売られてしまったんだとか!
     
     そんなことは、そんなことは嘘に決まっている。だってにゃ~ちゃんは、にゃ~ちゃんみたいに可愛い女の子がひどいことになるわけがない。にゃ~ちゃんは僕の天使で、女神で、にゃ~ちゃん!!にゃ~ちゃん!!かわいいよ!!
     だからファンクラブの人がくれた僕の手元にあるDVDはきっとそっくりAVとかそういうことなんだと思う。

    『にゃ~ちゃんのその後が知りたいのなら見た方がいいよ。ただし、松野氏、グロ耐性ある?』

     正直言ってそんな耐性も趣味も微塵もないけれど、ファンとしてそんな裏ものDVDに出てる子がにゃ~ちゃんだなんてまことしやかに囁かれて黙っているわけにもいかない。 
    だから僕はこれを見るんだ。信じてるよ。信じてるからこそ、これは愛ある確認行為で、大好きなにゃ~ちゃんがそんな目にあってるなんて認めたくないけど、ああでも、グラビアと同じに鎖骨にホクロがある君は……鋸の横で青ざめてるかわいい君は、認めたくないけど君なんだね……
    にゃ~ちゃん!!にゃ~ちゃん!!それでもかわいいよ!!にゃ~ちゃ……お゛っ…おぶっ、うええええええええ。



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    白目くん(落乱) #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     言い換えれば総出で死にに行け、というような忍務だった。比較的年の若い白目が血相を変えて、隊を率いる凄腕の元へ半べそかいて駆け込んでいったのを見てたから八味は苦々しい顔だった
    もともと国益の為の捨て駒、死ぬのが怖いからってお前だけが見逃してもらえると思うなよ、という苛立ちと、もしかしたら頭の凄腕はこいつを逃がすんじゃないかという疑心でだ。
     白目はもともと頭が弱い。年は二十も越えるのに線が細く体つきも華奢で、いつまでたっても子供のように泣き笑いじゃれつくので、凄腕もどやしながらも目をかけていた。いや、八味にしてみれば甘やかしていたというのだあれは。それだから八味は凄腕を疑っていた。頭が弱いか体が弱いか知らないが、可愛いからなんて理由でひとりだけ特別扱いをされたんじゃたまったもんじゃない。同じ旗の下の一蓮托生。死ねと言われれば揃って死ぬのが道理じゃねぇかとそう言ってやるつもりで様子を伺っていた。

     果たして白目が喜んで庭を跳ねているのを見たのが四半刻後のことだ。おう、この餓鬼なにを浮かれてやがるんだ、と八味が訊ねると、白目はただただ喜んで「凄腕さんは優しい」そう言って、すばしっこく八味の脇をするりすり抜けていくのだった。

     さては思った通りの体たらく、八味は足音も荒く頭の部屋へと押し掛けて、ぼんくら頭の胸ぐらを掴み寄せ、そしてそれっきり言葉を飲んだのだった。

    「シロのことなら仕方ねぇ。どこの誰ともしれねぇ相手に惨く殺されるのは怖いってよ」

     凄腕の小太刀にまだ新しい血が滴っている。

    「気持のよくねぇ依怙贔屓だろうが勘弁しろよ、俺はコイツがかわいい」

     そういう男の膝の上で嬉しそうに白目が笑って息絶えていた。



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    守沢千秋 #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     日曜日の子供向け特撮ヒーロー番組が守沢千秋は大好きだった。もう何年も日曜の朝は早起きだったし、スマホの着信メロディだって××レンジャーのテーマ曲だ。
    守沢は正義感が強いタイプだし、××レンジャーのオープニングは守沢を善行へと奮い立たせてくれる。例えば相手が他校のいかついチンピラで、多人数であっても、イジメと見ては見逃せないし、例えば当のイジメを受けていた少年が守沢に見向きもせずに走り去ったとしても、守沢は毅然とした態度で悪に立ち向かわなくてはいられなかった。

    「お、この曲オレ知ってるぜ。ガキが見るヒーロー番組だよ」
    「はぁ?なんでそんなん知ってんだよ。オタクかぁ?」
    「うっせーな、家にガキがいんだよ。毎週朝からうっさくってよー」

     守沢の携帯がなったので、守沢を殴っていた男たちはそんな風にさざめきあった。男のひとりが石を持つ。真似してやろうか。ガキの相手してるから上手いんだぜ。そんな風に笑った。

    「ほれ、ヒーローパーンチ」

     違う。××ブルーは、キックが必殺技なんだ……。頭に重い衝撃を感じながら守沢が思うのを男たちが知る由もない。
    なんにせよ明日のスーパーヒーロータイムはきっと、リアルタイムで見れない。



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    木吉(黒バス) #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     綺麗な膝にして戻って来いよ。と確かに言った。それはまぁ確かに果たされたのだ。傷めた膝の治療の為に木吉がアメリカに渡って数か月。
    今となってはわざわざアメリカまで行く必要があるのか。今じゃないとだめなのか。色々言えたこともあったが、とにかく帰ってきちまったんだからしょうがない。

    「テロに巻き込まれたんですって」「地下鉄で」「ガス管に引火して」

     遺体は損傷が激しくてDNA検査でやっと身元がわかったらしい。それにしても悪ふざけのような話だ。

    「膝だけ綺麗に帰ってきてんじゃねぇよ、ド阿呆……」

    軽すぎる棺桶の前で日向は瞠目した。



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    福富寿一
    #リプライで来たキャラで死ネタ考える

    (※金福です)
    「最近、俺の前で卑屈にならなくなった」そう金城に褒められたばかりだった。あくまで「対等」を言い聞かせられ金城と同棲を始めて2年になる。二人の間にはいろいろあったので、福富が金城に引け目のようなものを匂わさずに過ごすことは難しかったが、それでもそんな素振りがようやく抜けてきたなと指摘されたところだ。死んでしまうわけにはいかなかった。今日は金城の誕生日だったし、今朝がたも仕事へ向かう金城へ「なにかお前が喜ぶようなことを用意してやる」そんなことを言った筈だ。
    だから今死んでしまえば、仕事から帰った金城が福富の死体を見て「お前はお前が死ねば俺が喜ぶと思って誕生日なんかに死んだんだな」そう思うに決まっている。

     実のところ福富はもうだめで、金城の好物でも作ろうと夕飯の買い物から帰ってきたときに、たまたま居合わせた強盗とたまたま鉢合わせて揉み合いになり、そうしてベランダから落ちたのだ。マンションの7階だった。

    金城は結局、俺をいつまでも卑屈なやつだと思うだろうか。夕暮れのアスファルトの上で死にながら福富は静かにそう考えていた。



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    メル(無添丸)
    #リプライで来たキャラで死ネタ考える

     フェスティバルの最中にあったユーロピアの広場に戦闘機が堕ち89人の死傷者を出した事件以降、反戦デモは盛り上がりの一途を続け、道を往く軍用車を町民が寄ってたかって囲み石を投げ、棒で打ちついには無残なスクラップにしてしまうのを「時の記事」として新聞に取り上げられるような日が幾日も続いていたような年。町のレストランでコックとして働く戦闘用アンドロイド、テツジンも町をすっかり歩けなくなってしまった。
     もちろんテツジンも町の人々に受け入れてもらえるように努力した。戦闘用のブレードをまず右腕から外したし、衝撃に備えるシールドも町の人々の手ずから取り外させた。そのほかに固い角もシステムを守る主なフレームも、言いがかりをつけられるようなものはすべて成すがままに剥がさせた。テツジンは今や本当に無力なかろうじて自立して動くブリキのオモチャ程度の存在だったが、それでも民意は納得しないのだ。なにせ危険で野蛮な暴力の象徴であったし、平和の為にスクラップにしてしまおう。そういう流れだった。

     メルはレストランに住む心の優しい小さな女の子で「テッちゃんは危なくないのよ」そう言うのだ。
    「メルはとっても弱いのね。メルがそばにいても大丈夫だったらテッちゃんが危なくないって、そうなるのね。メルはずっとテッちゃんのそばにいるのね」

     小さな女の子の説得は胸を打ち、小さなメルが無傷でひと月を過ごしたら、機械兵テツジンを壊すのをやめよう。町の人たちはそう約束した。
    優しい小さなメルが死んだのはもうその翌日だった。
    いつものように買い物にでるテツジンにメルは抱えられて外に出た。目的の八百屋まではそう長い距離ではないが体の殆どが剥がれてしまったテツジンには過酷な道のりだった。それに至る所から、投げつけられる腐ったトマトや生卵からメルを庇うのだって大変だった。町の人たちは結局、安全のためにテツジンを壊したかったし、メルが無傷でひと月を過ごすことを望んでなかった。

    「みんなひどい、ひどいのね」

     とうとう泣き出して走りだしたメルをテツジンは追いかけられなかった。
    テツジンの体にはもう強靭な跳躍をみせるターボも、曲がり角から恐ろしい勢いで走ってくるトラックを透視するスコープももうついていなかった。ただただ小さなメルがそこの曲がり角で跳ねられるのを視認した。

    激しい慟哭を響かせた機械兵はほどなく町のスクラップ工場で廃棄された。図らずもメルの葬式と同じ日となった。



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    (お粗末)
    #リプライで来たキャラで死ネタ考える

    兄弟喧嘩の果てに「俺が死んだら後悔するぞ」と言い残して深夜1時遅松は、兄弟同士団らんの席を立ちあがったのだ。まさか本当に死ぬ気だとは5人もいる兄弟の誰も思わなかったし、
    とうの遅松だって思ってはなかったのだ。冬の冷たい川の水のなかで遅松の遺体は発見された。正確には、まだちょっと息のある凍死寸前の遅松だった。酔った末の転落事故だが、寸前ひどい喧嘩をしていた六つ子の兄弟たちには違って見えたことだろう。

    「うう、遅松にいさん……僕たちの当てつけに本当に死んじゃうなんて」

     半覚醒、半睡の遅松は鈍い頭で思った。ほら見たことか。俺にもっと優しくしておかないから。
    兄弟たちはざぶざぶと冷たい川の浅瀬に入り遅松を取り囲んだ。そうして石を持ち上げた。

    「むかつくから沈めちゃおうぜ」

    っせーの。
    冷たい夜の空気にぴったりと掛け声が揃って響いた。


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